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建設キャリアアップシステムについての私見

先日、国土交通省の旗振りの元、一般財団法人建設業振興基金が構築、運用している「建設キャリアアップシステム」の研修会に参加してきました。
以前より存在は聞いておりましたが、きちんとシステム全体の話を聞いたのは初めてでした。

このシステムが対象としているのは、建設業界の中でも「技能者」の方です。毎日一定の上司の元で働く職種と異なり、多種多様な現場で稼働するため評価の視点や軸を定めることが難しいので、すべての現場の就業の履歴を一元的に持てるようになれば、積み上げた経験を客観的に評価してもらいやすくなることはメリットだと思います。

一方、普及の目標は初年度100万人、5年ですべての技能者(330万人)ということですが、正直、ハードルは結構高いのではないかと感じました。

1つは、登録の手間が思いのほか掛かりそうなことです。大企業に属する技能者は会社でまとめて登録してくれるかもしれませんが、多くのそれ以外の方は日々の仕事だけで手いっぱいの中、手間を上回るメリットを感じて登録という行動を起こすかが疑問です。

2つめは、すべての現場にカードリーダーが設置されないと、技能者がカードを保有していても実績を積み上げていくことができないため、技能者に登録させるために、まず事業者がどれだけこのシステムの普及に協力するかが鍵になるのではないかと思います。
例えば、小規模事業者が直接請け負った現場でも技能者が就業履歴を残すためには、カードリーダーは設置できなくても事後入力も可能になるようですが、元請事業者が情報を承認することが必要ということなので、そもそも事業者が登録していないと承認もできないことになるのではないかと思います。
実際、技能者は任意でも、事業者は義務化するぐらいでないとすべての事業者というのは難しいのでは、と、個人的には感じています。

ただ、この制度が目指すところは賛同できますし、うまく普及すれば技能者のメリットだけでなく、現場を管理する人たちにもメリットがある仕組みだと思いますので、今度も動向に注力して、行政書士として普及に協力できるところはしていきたいと思います。

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